波長780nmの高出力半導体アンプ1台、およびDFBレーザー2台を用いて、Rb原子のBEC実現のための光学系をシールドルーム内の光学除振台の上に構築した。約30mWの種光(DFBレーザー光)に対して、1.5Aの注入電流で約1Wの出力を半導体アンプより得ることができた。また、高速バランスドディテクターを用いた偏光分光により、DFBレーザーの周波数安定化を行った。2台のDFBレーザーを独立に周波数安定化し、そのビート信号をスペクトラムアナライザーで観測し、レーザー線幅の測定を行った。構築した光学系を既存のゼーマン減速器を用いて性能のチェックを行った.本研究では、生成したBECを光格子にロードしたり、フェッシュバッハ共鳴のための磁場(〜1000G)を印加したりする必要があるため、これらを考慮した新しい超高真空チャンバーの設計を行った.また、Rb原子を超高真空チャンバーに高速ロードするためのZeeman減速器およびRb原子オーブンを設計、作成した。特に今回は、ゼーマン減速器からの磁場がBECを生成するチャンバーに影響を与えないように、スピンフリップ型と呼ばれる特殊な磁場プロファイルを持つゼーマン減速器を設計した。また、磁気トラップのための電磁石を水冷が可能な中空銅管を用いて作成し、既存の真空装置を用いて性能評価を行った。
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