研究課題
1. 硫黄向位体比測定の最適化 : 連続フロー型安定同位体質量分析において問題となる直前に測定した試料の影響(メモリー効果)を低減するための方法を確立した。特にガス分離するために設置するカラムの条件設定が重要であることがわかった。この結果は質量分析学会同位体比部会において発表した。また、データをまとめて国際誌に投稿予定である。2. 炭酸塩置換態硫酸イオンの硫黄同位体比分析 : 古環境を読み取る指標となる炭酸塩を構造的に置換した硫酸イオンの抽出において、他の成分を除去するための前処理法がいくつか報告されている。どの前処理を用いるのが的確か不明であるので、共通の試料に対して異なる前処理を使って抽出した硫酸の硫黄同位体比分析を行い比較した。次亜塩素酸を用いた酸化処理を前処理法に使う方法では、置換態として集めた硫酸の硫黄同位体比は数permil程度のばらつきを生じることが分かった。この方法を使うのは適切ではないと結論付けることができた。3. シンクロトロン放射光蛍光X線分析 : 白亜紀一第三紀境界に相当する粘土層にはイリジウムが濃縮しているが、その担体は不明である。これまでの研究において、化学操作を含んだ全岩分析により硫化鉱物・有機物に存在する可能性が示唆されているが、実際にどこに存在するのか不明であった。放射光を利用した蛍光X線分析によって1粒子ごとの分析を行った。現在のところは硫化鉱物にはlrは見出せていない。4. 多重ガンマ線分析装置による微量元素分析 : 白亜紀-第三紀境界粘土層のlr分析を中心に行った。露頭ごとにlr濃度にばらつきを見出した。これと他の微量元素濃度を組み合わせることで、lrの担体に制約を加えることができた
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