研究課題
本年度は、第三段階として、「磁性炭素クラスターナノロッドの物性評価」を行った。ナノロッドの物性評価として、伝導度測定及び磁化率測定を行い、1本1本のナノロッドの物性を明らかにした。合成したLa@C_<82>Adロッドの伝導度測定を行い、これらのロッドが通常のC_<60>などのナノロッドやLa@C_<82>薄膜等と異なる電気的性質を有していることを明らかにした。これらのナノロッドは用いた磁性炭素クラスターの電気的性質により、p型あるいはn型の半導体としての性質を有すると考えられる。さらに、ナノロッドの磁場配向を検討した。ナノロッドを強磁場中にてポリマー中で配向させ、磁気的そして電気的異方性を有するフイルムの合成を検討した。配向は、磁性炭素クラスター誘導体の磁気的性質に影響されると考えられる。これを利用して、ポリマーで異なる磁性炭素クラスターナノロッドを配向させることによりPN接合を選択的に発生させることについても検討した。また、窒素原子内包フラーレンN@C_<60>を含んだC60ナノウイスカー(N@C60/C60ナノウイスカー)を合成し、ESRにより窒素に由来するシグナルを確認した。窒素のESRから、ウイスカー内におけるフラーレンの状態や周りの環境についての情報を得ることができることが明らかとなった。今後本研究で得られた磁性炭素クラスターナノロッドを用いて、種々のデバイスの作成等を行っていく予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (2件)
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