研究課題
既に、イリジウム触媒を用いるポルフィリンの高位置選択的な直接的ホウ素化反応を開発することに成功した。そこで、次にロジウム触媒を用いたホウ素化ポルフィリンの変換反応について検討したところ、アクリル酸エステル類と効率的に反応することを見いだした。β位にホウ素をもつポルフィリンの場合にはアクリル酸エステルとHecK反応型の付加-脱離によりポルフィリンに不飽和エステルが付加した生成物が収率よく得られるのに対して、メゾ位にホウ素をもつポルフィリンの場合には共役付加反応により飽和エステルが得られることが分かった。反応機構については密度汎関数法による分子軌道計算によりポルフィリン周辺部の立体的環境により大きく影響されることが明らかとなった。本反応によりポルフィリンに対して位置選択的に不飽和エステル基を導入することが可能となった。不飽和エステル基はポルフィリンと効果的に共役しており、その吸収および発光スペクトルに大きな影響を与えることを明らかにした。一方、メゾ位にアセチレンをもつポルフィリンに対して、4-アミノ-3-ヨードピリジンを作用させるとアセチレンに対して付加-環化反応が進行し、アザインドール部位をもつポルフィリンが収率よく合成できることを見いだした。このようなポルフィリンは従来の酸触媒による方法では合成が難しい。さらに得られたアザインドール亜鉛ポルフィリンの会合挙動について明らかにした。
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