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2006 年度 実績報告書

水溶液中の酸化チタン単結晶基板上における競争的光反応メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18685015
研究機関大阪大学

研究代表者

今西 哲士  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60304036)

キーワードルチル / 酸化チタン / 蛍光 / 酸素発生 / 紫外光 / ステップサイト / テラスサイト
研究概要

本年度は、以下の内容について研究を行い、成果を得た。
1.ルチル型TiO_2単結晶上における水光酸化反応の電解液pH依存性
電解液のpHを変化させながら、UV照射下、水の光酸化反応と競争的に現れる蛍光を測定した。その結果、ちょうど表面の等電点付近で蛍光強度が大きく変化し、酸性側では強度が強く、反対にアルカリ性側では極端に弱くなった。これは、TiO_2表面の-OH基における電荷が変化することによって、ホールがトラップされるサイトが変化したことによるものと思われる。つまり、最表面がマイナスにチャージされた場合(アルカリ性下)には、ホールは、最表面の-OH基付近でトラップされ、発光には寄与しないが、反対にプラスにチャージされた場合には、発光サイトである"格子酸素"にトラップされるために、強い発光が観察されたものと思われる。また、照射するUV強度が非常に強くなると、このpH依存性はほとんどなくなることが分かった。
2.ルチル型TiO_2単結晶のstep構造を変化させたときの蛍光発光変化
ホールの拡散方向であると考えている<001>方向およびそれと垂直方向それぞれに微傾斜させたTiO_2(110)面を用いて、それぞれの試料について、水光酸素発生中に出る蛍光強度を測定した。その結果、<001>方向に微傾斜させた試料の方が、蛍光強度が明らかに弱くなることが分かった。また、微傾斜角度を変化させて、測定したところ、傾斜角がゆるい(terrace幅の広い)試料の方が蛍光強度が強く表れることが分かった。このことにより、光生成したholeは、表面付近の格子酸素(トラップサイト)を<001>方向に進みながら、主にテラスサイトで発光をしていることが分かった。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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