研究概要 |
平成18年度に提案した屈折率分布型円形コアポリマー並列光導波路の作製法確立,コア間の低クロストーク化検討並びに,シングルモード導波路化,多段化のためのコア径の縮小検討を行った.18年度に初めて採用した並列光導波路プリフォームの作製法では,得られる並列光導波路の断面形状が楕円となるため,基板上への実装上に問題を残していた.本年度開発したプリフォームは,平板形状を有しており,得られる導波路の断面も長方形となり,基板実装性を大きく改善することが出来た.さらに,この新規作製法では,所望のコア径,コア間距離(ピッチ),並びに並列コア数を実現可能である.実際にコア径,ピッチの異なる並列光導波路を試作し,コア間クロストークに及ぼす影響を検討した.その結果,屈折率分布型コアの,強い光電界閉じ込め効果により,50〜100ミクロンという,極めて小ピッチの場合でも,クロストークを-30dB以下に低減できることが明らかとなった.しかしながら,この光電界閉じ込め効果は,コア部の開口数(NA)に大きく依存し, -30dB以下の低クロストークを確保するには,0.17以上のNAが要求されることが分かった.一方で低クロストーク化を目指し,並列光導波路のコア部に,新たにW型屈折率分布を導入する方法を提案した.W型屈折率分布中の,低屈折率層による光全反射効果により,W型屈折率分布コア並列光導波路では,放物線状屈折率分布コア並列光導波路に比較しても,低クロストーク化が実現されるという,興味深い結果が得られた. また,従来の4チャネル並列導波路から,4×2チャネル並列コアへ,導波路デザインを改良し,同時に,小コア径化検討を行った.その結果,屈折率分布の形成された円形コアによる4×2チャネル並列光導波路の作製に成功した.現在,その諸特性の評価解析を進めており,熱延伸倍率の調整によるシングルモード化の検討を行っている.
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