研究課題
テラヘルツ波は、光の直進性と電波の透過性を併せ持つ波長領域に位置する. そのため、医療、工学、天文学など多岐にわたり研究開発が進んでいる. 申請者は、テラヘルツ波発生光源の開発進度と比較して遅れを取っているテラヘルツ波の検出器として、超伝導トンネル接合素子(Superconducting Tunnel Junction : STJ)に着目したテラヘルツ波検出器の開発を行っている。平成20年度の研究目的は、1)基板吸収型THz波検出素子の設計、作製、評価、2)基板吸収型THz波検出器を用いた分光特性の観測であった。平成20年度の成果は、基板吸収型THz波検出器のデバイス構造やデバイスに使用する材料の最適化、更には超伝導THz波検出器の分光特性観測に成功し、超伝導THz波検出器の新たな研究展開へ結ぶつけることに成功した. 得られた成果の詳細は以下の通りである。1 : Al電極を用いた超伝導THz波検出器の開発これまで使用していた超伝導材料(Nb)と比較して、超伝導ギャップの小さいA1採用することで、S/Nの向上、すなわち検出器としての感度向上を図った。その過程で、作製方法の最適化と信号成分の向上を確認した。2 : Al電極を用いた場合の超伝導THz波検出器の構造最適化超伝導THz波検出器のアレイ化は、検出器としての有感面積の拡大につながる. これまでTHz波検出器の大面積化はあまり行われていない。感度向上を目的としたAl電極を有する超伝導THz波検出器をアレイ化する上で、検出器単体の大きさを最適化することは、検出器の設計上必要不可欠である。そこで様々なサイズの検出器を作製、測定することで、検出器の最適サイズを決定した.3 : 超伝導THz波検出器の分光特性申請者は提案する超伝導THz波検出器を用いて、2種類の糖の分光特性を観測し、異なるスペクトルを得ることに成功した。
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