研究課題
平成18年度はこれまで研究を進めてきInAs/AlSb量子カスケードレーザーを用いて、バンド間・サブバンド間2波長発振レーザーを目指し研究を進めた。以下にその成果を示す。(1)InAsバンド間、サブバンド間同時発振レーザーの作製InAsはナロウギャップ半導体であるために、カスケード構造のように高電界がかかる構造ではツェナー効果あるいは衝突電離などでホールが生成する。ホールの生成は導波路層からのバンド間発光として観測されるので、このバンド間発光を利用し発振させれば、サブバンド間、バンド間の両方で発振が可能となる。そこでバンド間発光、及びサブバンド間発光の両方が同時に起こるように動作電界強度を注入層のドーピング濃度を変化させ最適化したところ、バンド間及びサブバンド間の2つの遷移で、同時にレーザー発振させることに成功した。発振波長はバンド間では3.OμmとInAsのバンド端のエネルギーに一致し、サブバンド間は4.9μmで設計値とほぼ一致した(論文投稿準備中)。(2)InAs/GaSbバンド間発光層を含むInAs/AlSbカスケード構造の作製InAs/GaSbタイプIIバンド間発光層とInAs/AlSbサブバンド間発光層の両方を含むInAsカスケード型発光ダイオードを作製し、InAs/GaSb発光層のバンド間発光及び、InAs/AlSb発光層のサブバンド間発光を同時に観測することに成功した。
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Electronics Letters Vol.49,No.3
ページ: 520-522