従来型の下水処理技術では除去が難しい医薬品類による水環境及び水道水源の汚染が顕在化している。本研究では、次世代の下水処理技術として注目されている膜処理を用いた場合の医薬品除去性について検討した。膜分離活性汚泥法やナノろ過、逆浸透処理による医薬品の除去性は従来型下水処理と比較して大幅に高くなる。生物処理部の操作条件はシステム全体における医薬品除去性に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。また、下水処理過程において医薬品は完全に分解されるわけではなく、構造が特定されない中間生成物として放流されるものがあることを示した。
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