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2008 年度 実績報告書

可変摩擦ダンパーとMRダンパーによる複合型セミアクティブ制振に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18686046
研究機関秋田県立大学

研究代表者

菅野 秀人  秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (20336449)

キーワード制振 / 建築構造 / 機能材料 / 磁性
研究概要

本研究は, 合理的な建物の地震応答制御として, 制震デバイスであるダンパーと建物の架構を繋ぐダンパー支持部材の負担軽減と, 建物高さ方向の応答分布の均一化を図ることを目標とした。平成20年度は,前年度に検討した等価線形化法を用いた制御システムの性能曲線の実験的な検証を行い, その妥当性を確認した。さらにこの結果を踏まえ, 本制御則を用いたセミアクティブ制振建物の簡便な設計手法の提案を行った。本研究で検討するセミアクティブ制御則の場合は, 地震時の建物のエネルギー応答量に乗ずる制御係数が制御効果に大きく影響することが前年度までの検討で分かった。この制御係数の簡便な設計方法としては, まず1質点系に対しては, 制御システムの性能曲線を用いることで, 最適な制御係数を設計することが可能であることを実験的・解析的に確認した。さらに, 1質点系で得られた制御量を多質点系に拡張するため, 一般にパッシブ振動制御で用いられる考え方を本セミアクティブ制御則に適用することを試みた。ひとつは主架構の層剛性に比例して各質点の制御係数を設定する方法, もうひとつは建物に作用すると想定される層せん断力に比例させる方法である。鉄骨造10層の建物を想定して解析的な検討を行った結果, どちらの手法も各層の応答が設計クライテリアを満足し, かつ過度な制御量とならないような合理的な制御係数の設定ができた。さらにこの2つ方法を発展させ, 各層のエネルギー応答量に比例された設計方法についても検討を行ったが, こちらも同様の結果であった。これら3つ設計方法にあまり差が見られなかったのは, 今回想定した建物が比較的層剛性が均一であるためと考えられ, 例えば特定の層が変形しやすいといった不均等な剛性分布をもつ場合の検討等が今後の課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] セミアクティブ制御を行うダンパーの支持部材剛性が制振構造物の応答に与える影響の実験的検討2008

    • 著者名/発表者名
      荒井達朗, 菅野秀人, 堀則男, 井上範夫
    • 雑誌名

      日本建築学会東北支部研究報告集 71

      ページ: 211-214

  • [雑誌論文] セミアクティブ制御を行うダンパーの支持部材剛性が制振構造物の応答に与える影響の検討その1一層試験体の加振実験2008

    • 著者名/発表者名
      荒井達朗, 菅野秀人, 堀則男, 井上範夫
    • 雑誌名

      日本建築学会大会(中国)学術講演梗概集 B-2

      ページ: 485-486

  • [雑誌論文] セミアクティブ制御を行うダンパーの支持部材剛性が制振構造物の応答に与える影響の検討その2等価線形化法による最大応答予測の検討2008

    • 著者名/発表者名
      菅野秀人, 荒井達朗, 堀則男, 井上範夫
    • 雑誌名

      日本建築学会大会(中国) 術講演梗概集 B-2

      ページ: 487-488

  • [学会発表] Semiactive Control of Seismic Response Based on Story Displacement using Magnetorheological Fluid Damper2008

    • 著者名/発表者名
      Hideto Kanno
    • 学会等名
      The 14th World Conference on Earthquake Engineering
    • 発表場所
      中国・北京
    • 年月日
      2008-10-13

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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