研究概要 |
前年のライダー装置を改良し,レーザー1波長(紫外光),観測2波長(水ラマン散乱光,蛍光)のライダーシステムを完成させた。また,水ラマン散乱光と蛍光の比率を取る解析手法を開発し,クロロフィル濃度鉛直分布および水平分布観測に有効であることを示した。 海技研の試験水槽(水深35m)においてターゲット水観測実験を行った。また,東京海洋大学「青鷹丸」および鳥羽商船高専「鳥羽丸」にこの装置を搭載し,東京湾,相模湾,伊勢湾等での海水のライダー観測を行った。これに伴い,3つのサブテーマに関して,それぞれ以下の成果を得た。 1.クロロフィルの蛍光特性に関する研究 東京湾,相模湾,伊勢湾等,各地のクロロフィル濃度の鉛直分布データを,採水観測およびCTD観測により得た。 2.ライダー装置の開発に関する研究 レーザー1波長(355nm),観測2波長(405,442nm)のライダー装置を開発し,観測2波長の比率からクロロフィル濃度鉛直分布および水平分布の相対値を求める手法を確立した。 3.フィールド観測に関する研究 深さ35mの試験水槽を用いて深度30mまで,ターゲット水(緑茶)のライダー観測に成功した。また,船舶搭載時に,東京湾口において,深度10mまで海水のライダー観測に成功した。
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