研究の目的に沿って、植物プランクトン鉛直分布観測のためのライダー装置を発展・改良し、レーザー2波長(紫外光、緑色光)、観測4波長(水ラマン散乱光、青色蛍光、緑色弾性散乱光、赤色蛍光)の船舶搭載同軸観測型蛍光ライダーシステムを完成させた。 また、H20年度の具体的課題として挙げた4つのサブテーマについて、それぞれ以下の結果を得た。 1)4波長ライダー装置について、試験水槽で深度30mまでの感度性能評価 海技研深海水槽(深さ35m)を用いて、静水およびターゲット水の各深度での観測を行い、十分な検知能力と鉛直分解能があることを示した。 2)複数の海域で、海洋クロロフィル濃度鉛直分布のライダー観測 昨年に引き続き、東京海洋大学「青鷹丸」による東京湾・相模湾海洋調査観測、および鳥羽商船高専「鳥羽丸」による伊勢湾海洋調査観測を行った。 3)ライダー観測データを他の観測データと比較・整理し、結果を公表 ライダー観測線上の数点においてCTD観測を行い、ライダー観測データと比較した。また、沿岸海洋において潮目の観測が可能であることを示し、国際会議、国内学会等で発表した。 4)クロロフィルライダーの航空機搭載に関する検討 ライダー装置の航空機搭載案を作成し、実験用航空機を所有するJAXAと実現性の検討を行った。
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