研究課題
平成18年度は2光子励起マーキングの細胞内におけるパイロット実験としてミトコンドリアに光変換タンパク質Kaedeを発現させたタバコBY-2細胞を用いて実験を行った。その結果、多数存在するミトコンドリア中、1個のミトコンドリアのみを2光子励起マーキングにより明確に標識することに成功しその動態を3時間以上解析した。この研究成果を、"Single-organelle tracking by two-photon conversion."と言う題名で国際学術雑誌Optics Express誌に発表した。さらに、ターゲットタンパク質であるAtAUR3の解析を進め、ヒストン・リン酸化修飾部位を可視化するとともに、細胞内におけるAtAUR3の機能を明らかにすることに成功し、その成果を"Aurora kinase is required for chromosome segregation in tobacco BY-2 cells."という題名で国際学術雑誌Plant Journal誌に発表した。また、AtAU2の機能も明らかにして、その成果を"Characterization of a splicing variant of plant Aurora kinase."という題名で国際学術雑誌Plant Cell and Physiology誌に発表した。当初目標であった光変換タンパク質による染色体可視化も光変換タンパク質Dendra2で達成した。マーキングには現有設備であるコンフォーカル蛍光顕微鏡にチタンサファイアレーザーを導入してフェムト秒レーザーをサブミクロンの精度で照射できるシステムを使用した。さらに、マーキング後のモニタリングを適正に評価するためには、顕微鏡観察中の培養液温度や2酸化炭素濃度を正確に制御して実施した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)
Plant Cell Physiology 48
ページ: 369-374
Optics Express (印刷中)
Plant Journal 48
ページ: 572-580