研究課題
本年度は未培養のメタン生成古細菌・嫌気的メタン酸化古細菌の分離培養を試みた。未培養のメタン生成古細菌を分離するためには先の萌芽研究で開発した嫌気共生培養法を用いて、様々な環境から採取してきた土壌サンプル等を植種源として培養を行った。その結果、Methanomicrobiales目、Methanosarcinales目やRice Cluster Iの新属新種を代表すると考えられる4種のメタン菌を集積培養することができた。さらに、この分離過程において、エタノールからメタンを直接生成するメタン菌を分離することに成功した。エタノール資化性メタン菌はMethanogenium organophilumの1種しか知られておらず、我々の知る限り本分離株は世界で2例目である。加えて、メタン菌のパートナーとなる嫌気共生細菌の分離も積極的に行い、Pelotomaculum属やSyntrophomonas属に属する新種の細菌を分離した。難培養性微生物の代表である嫌気性メタン酸化古細菌の培養を行うために、新規な嫌気性培養器を考案し、その培養器の設計、と培養を開始した。植種源には和歌山県沖の南海トラフから採取してきた深海堆積物を用いた。現在、培養を開始してから3ヶ月経過したが、培養系内において嫌気的なメタン酸化反応は確認できていない。加えて、嫌気的メタン酸化古細菌の検出・定量をするための16S rRNA遺伝子を標的にしたプライマーセットを作成した。
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