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2006 年度 実績報告書

ヒト染色体セントロメアの分子構造

研究課題

研究課題/領域番号 18687011
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

広田 亨  (財)癌研究会, 癌研究所実験病理部, 部長 (50421368)

キーワード染色体 / セントロメア / 細胞分裂 / コンデンシン / Aurora B
研究概要

安定した染色体の継承は、微小管による動態制御と、染色体自体の構築制御とに依存している。本研究は、染色体の動態制御の起点であるセントロメアについて、分子構造を明らかにしてその機能をより深く追究することを目的としている。これまでの観察結果により、セントロメアの構築過程に染色体の凝縮を担うコンデンシンが重要であることが予測されていたので、コンデンシンの動態制御機構について調べた。先ず、GFPタグをつけたコンデンシンを安定発現する細胞を作成し、その動態を生細胞で解析した。細胞質に分布し、それゆえ核膜崩壊にはじめて染色体に取り込まれるコンデンシンIは、セントロメアに剛性を享受しており、その分子のターンオーバーがきわめて活発であることが判明した。それに対し、核にするコンデンシンIIはいったん染色体に取り込まれると、安定してクロマチンと結合し動きはほとんどみられない。つまり、二つのクラスのコンデンシンが、細胞内で全く異なる振る舞いをすることで、それぞれが特異な役割を担い、セントロメアの機能に必要な物性を与えているという構図が明らかとなった(Curr.Biol.2006)。さらに、我々はコンデンシンIの分裂期におけるリン酸化にAurora Bの活性が必要であること、の染色体への取り込みがAurora B依存性に促進されることを見いだし、一連の観察結果をまとめ論文発表した(J.Cell Sci.2007)。このことは染色体構成分子のAurora Bによる制御が、正常な染色体の構築過程において主要な役割を担うことを意味しており、次に、Aurora Bによるセントロメア構成分子の制御にフォーカスして研究を進めている。なお、蛍光顕微鏡および解析装置一式は、当該研究費において予定通り購入し、顕微鏡学的なアプローチが主体である本研究においては極めて有効に活用した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Aurora B controls the association of condensin I but not condensin II with mitotic chromosomes.2007

    • 著者名/発表者名
      Lipp, JJ., Hirota, T., Peters, JM.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science 120(7)

      ページ: 1245-1255

  • [雑誌論文] Condensin I stabilizes chromosomes mechanically through a dynamic interaction in living cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Gerlich, D., Hirota, T., Koch, B., Peters, JM., Ellenberg, J.
    • 雑誌名

      Current Biology 16(4)

      ページ: 333-344

  • [雑誌論文] オーロラキナーゼによる染色体の制御2006

    • 著者名/発表者名
      広田 亨
    • 雑誌名

      細胞工学 25(5)

      ページ: 506-510

  • [雑誌論文] ヒストンのリン酸化-動的エピジェネティクスをになう修飾2006

    • 著者名/発表者名
      広田 亨
    • 雑誌名

      実験医学 24(8)

      ページ: 1110-1116

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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