研究課題
セントロメアは、姉妹染色分体の結合、染色体と微小管の結合、紡錘体チェックポイント信号の発信をになう、分裂期における染色体動態制御の中枢として機能する染色体の特殊なドメインである。多くの研究がなされセントロメアを構築する分子の解明が急速に進んでいるが、本研究では、Aurora Bがセントロメア構成分子をどのように制御するかという視点から、セントロメアの分子構造の理解を目指した。特に、Aurora BによるHistoneH3のSer10のHP1αの機能を追った。昨年度までに、HP1αのSer92がAurora Bによってリン酸化を受けるとAurora B/染色体パッセンジャー複合体(CPC)と結合しセントロメアに集積することと、HP1αが正常な後期開始のタイミングと後期における染色体の同期した動きに、つまり紡錘体チェックポイント機能に関わっていることを見出した。つづく本年度は、Aurora B/CPCとHP1αの相互作用の意義に焦点を絞り解析した。研究計画に従い、HP1α非リン酸化合に必要であることが分かった。さらに、Aurora B/CPCとHP1αの結合は紡錘体チェックポイント分子のMad2とBubR1の結合という本シグナルの中心的な局面に必須であることを突き止め、チェックポイント信号の発信というセントロメアの機能にAurora Bの果たす役割を具体的に提示することができた(Takagaki et al., unpublished)。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Journal of Cell Biology 184
ページ: 4188-4196
Cancer Science (In press)
Journal of Biological Chemistry 283
ページ: 24426-24434
http://www.jfcr.or.jp/tci/exppathol/index.html