研究概要 |
【サキシマハブ(石垣島)の毒腺PLA_2アイソザイムの解析】 サキシマハブ粗毒より3種類のPLA_2アイソザイムタンパク質を単離・解読し、サキシマハブ毒腺cDNAライブラリーの網羅的な解析からこれらをコードするcDNAクローンを単離した。これらのPLA_2アイソザイムは、49番目のアミノ酸がArgであるものを始めとして全く新新規の分子であった。さらにこれらのアミノ酸配列を基にした系統解析から、毒腺PLA_2の分岐過程がハブ属ヘビの棲息島の成立過程と一致することを報告した(Toxicon,48,2006 672-682)。 【トカラハブ(小宝島)の毒腺PLA_2アイソザイムの解析】 トカラハブ毒腺PLA_2をコードするcDNAクローンを3種類決定し、その塩基配列解析からトカラハブ毒腺PLA_2遺伝子は極めて高度に保存される特徴をもつことを見いだした。 【イヘヤジマハブ(伊平屋島)の毒腺PLA_2アイソザイムの解析】 イヘヤジマハブ粗毒より3種類のPLA_2アイソザイムタンパク質を単離し、部分アミノ酸配列を決定した。 【サキシマハブの血清PLA_2インヒビター(PLI)の解析】 サキシマハブ血清PLIをコードする4種類のcDNAを単離し、それらのコードするアミノ酸配列をもとに系統解析を行い、すべてのヘビはγ型PLIを普遍的にもつこと、その分子の進化過程はヘビの種分化過程と一致することを示した。加えて、BLAST検索から乳類ゲノム中にもハブγPLIに相同な血中分泌タンパク質をコードする遺伝子が存在することを見いだした(Toxicon,2007投稿中)。 【ミトコンドリアD-loop領域の塩基配列によるハブ属ヘビの系統解析】 奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、沖縄本島南部、伊平屋島、久米島、子宝島、西表島、それぞれ島のハブ血球細胞よりミトコンドリアDNAを抽出した。
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