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2008 年度 実績報告書

ニューロンの受容領域を制御する細胞内シグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18687901
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

榎本 和生  国立遺伝学研究所, 新分野創造センター, 准教授 (80300953)

キーワード樹状突起 / リン酸化酵素 / 脂質代謝酵素 / 感覚ニューロン / 受容領域 / ショウジョウバエ
研究概要

感覚ニューロン受容領域の形成・維持を司る分子ネットワークを全ゲノムサイズで理解することを目指し、RNAiノックダウン法を用いてショウジョウバエ・ゲノム上にコードされる全1万3千遺伝子の神経機能を簡便に評価出来る解析システムを確立した。確立したシステムを用いて、樹状突起のパターンや空間配置を制御する脂質代謝関連遺伝子群の探索を行い、イノシトールリン脂質代謝酵素PTENが、末端樹状突起の出芽数と出芽位置の双方を制御していること発見した(Kumagai et.al.投稿中)。さらに、マウス初代培養神経系とスライス培養系を用いて、同定した脂質代謝酵素および脂質代謝産物が、高等動物の神経回路形成に与える薬理効果について検討している。また、細胞外マトリックスのリモデリングなど、気管(血管)と神経の突起形成に共通する細胞・分子メカニズムを多数同定した(Yasmaga et.al.投稿中)。
一方で、従来は癌抑制遺伝子として考えられていたWtsキナーゼが、構築された樹状突起の維持に必須であることを明らかにした(Nature 2006)。さらに、Wtsキナーゼと遺伝的機能相関を示す因子群の探索を行ない、ポリコーム転写制御因子群を同定した(Genes Dev.2007)。一方で、ダウン症候群の関連遺伝子であるDscam(Down's Syndrome-associated Cell Adhesion Molecule)が、樹状突起間の相互認識に関与することを示し、Dscamを介する樹状突起の形成・維持メカニズムの異常が、ダウン症の発病に関連する可能性を示した(Neuron 2007)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The molecular and cellular basis for dendrite morphogenesis2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuo EMOTO
    • 雑誌名

      BRAIN and NERVE 60

      ページ: 351-364

  • [雑誌論文] リン脂質分子の膜動態による細胞骨格制御2008

    • 著者名/発表者名
      榎本和生
    • 雑誌名

      生化学 80

      ページ: 811-819

  • [雑誌論文] 脂質代謝物による細胞分裂の時空間制御2008

    • 著者名/発表者名
      金森崇浩・榎本和生
    • 雑誌名

      ファルマシア 44

      ページ: 1157-1160

  • [学会発表] How does neurons establish and maintain their unique dendritic fields2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Emoto
    • 学会等名
      NAIST International Symposium "Cell signaling"
    • 発表場所
      Nara
    • 年月日
      20081103-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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