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2007 年度 実績報告書

セロオリゴ糖からなる外部環境応答性ナノ粒子の構築と動的機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 18688009
研究機関京都大学

研究代表者

上高原 浩  京都大学, 農学研究科, 助教 (10293911)

キーワードセロオリゴ糖 / ナノ粒子 / メチルセルロース / 両親媒性
研究概要

可逆的な熱ゲル化を示すメチルセルロース(置換度(DS)1.5-2.0)水溶液は興味深い研究対象である。この現象はセルロース主鎖中に存在するメチルDS3.0のグルコースユニットが架橋点となり系中の水を抱接するからと説明されている。本研究ではそのメチル化グルコースユニットを有する両親媒性セロオリゴ糖の水中での自己組織化能を詳細に検討し、結果としてメチルセルロースの基礎物性解明に貢献するばかりでなく、セルロース材料の新たな用途開発をも目的とした。
平成19年度は、種々の低重合度の両親媒性セロオリゴ糖誘導体(2-6量体)の調製を行った。また、固相合成法によるセロオリゴ糖調製のための基礎反応を検討した。次いで、水溶液中の粒子の形態について、原子間力顕微鏡を用いて検討した。両親媒性セロオリゴ糖誘導体の化学構造、重合度により形態は異なったが、基本的に内部が水相であるベシクル状粒子を形成していることが示唆された。表層の膜内には疎水性化合物を、内層の空間には水溶性化合物を包接できる可能性が示唆された。示差操作熱量分析(DSC)により、上記水溶液中のセロオリゴ糖からなるナノ粒子の熱刺激応答性を検討した結果、セロオリゴ糖の混合物からなるナノ粒子は熱刺激に対して不安定、すなわち、熱応答性を示した。一方、単分散な両親媒性セロオリゴ糖からなるナノ粒子は、熱刺激に対して安定であることがわかった。さらに、単分散な両親媒性セロオリゴ糖からなるナノ粒子中への疎水性化合物の包接能を検討したところ、十分に包接能を有し、その包接能はセロオリゴ糖の一次構造依存することが示唆された。以上、メチルセルロース水溶液の可逆的熱ゲル化現象をヒントに、セロオリゴ糖からなるナノ粒子の熱刺激応答性について、化学構造-物性相関の一部を明らかにすることが出来た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] New class of carbohydrate-based nonionic surfactants: diblock co-oligomers of tri-O-methylated and unmodified cello-oligosaccharides2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Kamitakahara, Fumiaki Nakatsubo, and Dieter Klemm
    • 雑誌名

      CELLULOSE 14

      ページ: 513-528

    • 査読あり
  • [学会発表] ブロック的メチル化セロオリゴ糖誘導体水溶液の熱挙動2007

    • 著者名/発表者名
      上高原浩、中坪文明
    • 学会等名
      セルロース学会
    • 発表場所
      静岡大学 大学会館
    • 年月日
      2007-07-20

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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