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2007 年度 実績報告書

シオミズツボワムシのストレス耐性に関わる遺伝子群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18688010
研究機関北里大学

研究代表者

吉永 龍起  北里大学, 北里大学水産学部, 講師 (30406912)

キーワードシオミズツボワムシ / 酸化ストレス / 個体数変動 / ホルミシス / マイクロアレイ / ユグロン
研究概要

シオミズツボウムジのストレス耐性に関わる遺伝子群を同定するために,ストレス応答に重要な役割を持つ転写因子であるHSF-1遺伝子をクローニングし,本転写因子によって発現を調節される遺伝子群の同定を進めた.また,活性酸素を産生する薬剤であるユグロンを用いた実験を行った.まず,(1)ユグロン濃度に依存した死亡が観察されたことから,本薬剤はワムシ類にも効果があることが分かった.次に, (2)低濃度でユグロンを投与し.1時間〜48時間にわたって回復させた後に,致死濃度のユグロンに暴露する実験を行った.その結果,24時間の回復時間をとった場合に,ユグロンに対する耐性が高まることが分かった.こうした効果はホルミシスと呼ばれ,ワムシ類においては初めての発見となった.続いて, (3)シオミズツボワムシと,その近縁種であるBrachionus rotundiformisの2種間でユグロン耐性を比較したところ,後者の方が高い耐性を有することが分かった.これは,急速の酸化ストレスに対する防御機構の違いを反映しているものと考えられた.さらに,(4)ユグロンの投与によってホルミシスを誘導したワムシに急速な熱ストレスを与えた場合,熱に対する耐性も向上することが分かった.すなわち,ワムシにおいて酸化と熱によるストレス防御機構は,共通し九分子によってもたらされている可能性が示唆された.(5)ユグロンの投与によって発現が誘導される遺伝子群を同定するために, cDNAライブラリを構築した.このライブラリを用いてcDNAマイクロプレイを作成し,ストレスの種類や強さと発現する遺伝子のプロファイルについて解析を進めている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Monitoring of the physiological status as the heat stress tolerance in rotife

    • 著者名/発表者名
      Yoshinaga T., et. al.
    • 雑誌名

      Coastal Marine Science (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 馴致水温がシオミズツボワムシの熱ストレス耐性に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      田中 千香也, 安田 秀明, 吉永 龍起
    • 学会等名
      平成19年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2007-03-29
  • [図書] 寿命.塚本勝巳編「魚類生態学の基礎」

    • 著者名/発表者名
      吉永龍起
    • 出版者
      恒星社厚生閣(印刷中)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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