研究概要 |
平成19年度は平成18年度の研究(特に解析)を継続すると共に,特に「慢性期」の患者に対して実際どのようにキネステティクが安全であり有用であるか調査・検討した.急性期同様、患者の呼吸・循環動態を初めとする生理的ニーズや安全・安薬性、その他健康維持・増進の点から明らかにずることを目的とした。また,慢性期病棟のスタッフおよび在宅の介護者のキネステティクトレーニング方法やトレーニング暦について調査し,患者の受ける看護援助の安全性に関しても調査した. 慢性期病棟のキネステティク実践を行っているスタッフのトレーニング暦や熟練度は,各施設によって異なることが明らかになった。基礎コースを受講後は,基本的に患者に宏全に支援を実施しており,定期的に熟練したトレーナーやスタッフから継続的な指導を受けることができる施設もあった。患者への支援は,リウマチ患者,内部障害疾患患者,脳梗塞患者等の幅広い疾患の患者に応用していた。キネステティクに関する身体的な効果については,大規模スタディで明らかにしていく必要がある。慢性期患者に対するキネステティク支援において,特徴的な動作は限定されていず,患者個々め身体的・精神的・社会的状況に応じてあらゆる支援が実施されていることが明らかになった。動作解析においても,体位変換法や移乗,移送をはじめとする日常生活動作全般に関して疾患や患者状況に合わせて検討する必要があることが明らかになった。疾患や健康状況に応じた様々なパターンで動作解析を継続し,一般化できる動作要素を見出すことが平成20年度の動作解析に関する研究課題となる。
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