研究概要 |
平面グラフGの描画で,各辺が互いに交差しない直線分として描かれ,各面が全て凸多角形で描かれる描画をGの凸描画という.平面グラフGが凸描画を持つための必要十分条件は1984年に千葉らによって与えられていた.しかし,Gの凸描画の外凸多角形が何個の頂点を持たねばならないかは知られていなかった.本研究において、Gが凸描画を持つために必要な外凸多角形の頂点の最小個数について解析すると共に,Gの外頂点数最小の凸描画を求める線形時間アルゴリズムを与えた.Gが凸描画を持つために必要な外凸多角形の頂点の最小個数に関する条件を与えたことにより,無駄な外頂点のないGの凸描画を求めることができるため,理論的に極めて重要な結果となる.以上の成果を学術雑誌に投稿し,採録された. 平面グラフGの描画で,各点が整数格子の格子点上に配置されたものを格子凸描画という.Gの点数をnとしよう.本研究において,4連結平面グラフで外周に4つ以上の点があるものは,W+H≦n-1なる整数格子に格子凸描画できることを証明するとともに,そのような描画を求める線形時間アルゴリズムを与えた.以上の結果を学術雑誌に投稿し,採録された.また,内部3連結平面グラフGの分解木に葉がちょうど4個あるならば,Gを大きさ2n×n^2の整数格子内に格子凸描画できることを証明するとともに,そのような描画を求める線形時間アルゴリズムを与えた.以上の結果を国際会議で発表するとともに,学術雑誌に投稿した. 更に凸描画以外の描画法についても研究を行った. 平面グラフGの平面描画で,各辺が水平線分あるいは垂直線分で描画され,各内面が長方形であるものをGの内部矩形描画と呼ぶ.本研究において,Gが内部矩形描画を持つための必要十分条件を与えるとともに,Gの内部矩形描画を求める多項式時間アルゴリズムを与えた.この成果を学術雑誌に投稿し,採録された.
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