研究概要 |
平成18年度は,OMデータベース[Finschi & Fukuda(2001)]から得られるOMの幾何学的実現可能性の更なる分類,幾何学的に実現不可能なOMが幾何学的実現とどの程度解離しているかを示す「尺度」の提案を行った.具体的には,以下4つの共同研究を遂行した.第1に,中山裕貴氏(東京大学)と福田公明教授(ETH Zurich)教授との共同研究により,多項式最適化と一般化mutationグラフを用いた実現可能なOMの列挙方法を提案し,計算機実験により既存手法が列挙できなかった実現可能OMを数千個列挙するとともに,OMの曲がり具合の尺度としてmutationを提案し,OMデータベースをmutationに基づき階層化することで,OMデータベースが持つ様々な構造を発見した.本結果を,Hungarian-Japanese2007(2007年2月accepted)において発表した.第2に,同福田公明教授と岡本吉央氏(豊橋技術科学大学)との共同研究により提案した実現不可能OMの新しい十分条件(non-HK & non-HK^*)について更なる解析を行った.本結果については,2007年12月に論文誌に投稿し,現在も投稿中である.上記2つの共同研究遂行のため,9月13日〜29日同福田教授が在籍するEPFし(スイス・ローザンヌ)へ出張した.第3に,西鳥羽二郎氏,加藤公一氏,中山裕貴氏,今井浩教授(4名とも東京大学)との共同研究により,第2の結果との関連から,最小包含球問題においてHolkKlee条件が成り立つことを証明した.本結果はMEMICS2006にて発表済である.第4に,宮田洋行氏と今井浩教授(2名とも東京大学)との共同研究により,半正定値計画緩和を用いた実現不可能OMの新しい十分条件を提案した.本共同研究については,KyotoCGGT2007(2007年2月accepted)で発表予定である.
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