研究概要 |
本年度は,長期署名に関して以下の研究を行った. 1.既存の標準仕様(XAdESおよびCAdES)が保証する安全性を評価 既存の標準仕様の安全性を評価では,電子商取引実証推進協議会(ECOM)の推奨プロファイルをもとにした.標準仕様では,多くの選択的な定義が含まれており,長期署名を実現する際にはそのサブセットを選ぶことになる.本研究では,最新のECOMの推奨プロファイルで示されたサブセットに対して安全性の評価を行った.さらに,長期署名の核となる暗号技術である電子署名の安全性について,署名対象メッセージの秘匿を同時に考えた場合,既存の定義では不十分であることを指摘し,国際会議で発表した. 2.既存の標準仕様に従う長期署名の試作 標準仕様の選択的な定義のうち,最新のECOMの推奨プロファイルで示されたサブセットに対して長期署名システムの試作を行い評価した.ユーザの入力に対して,クライアントおよびサーバが十分高速に長期署名を生成,保存することを確認した.
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