ペイントショップ問題に関する理論的な考察として得た下記の成果を2007Informs Annual Meetingにおいて発表した。 1.Min 2CNF Deletion問題、Min MultiCut問題などのいくつかの最適化問題と深い関連があり、ペイントショップ問題をこれらの問題に帰着することができることを示した。すなわち、これらの問題に対する既知のアルゴリズムを利用でき、0(log n)-近似アルゴリズムを実現できることを示した。 2.最適解を多項式時間で得られる入力集合についての性質をいくつか示した。高度なアルゴリズムの設計には、多項式時間で解決可能な(制限された)入力の構造をうまく取り扱うことが必要である。Clutterと呼ばれる構造に対しては多項式時間で最適解を得ることができることが知られていたが、別の自然な構造に対しても多項式時間で最適解を得ることができることを示した。 また、一様メトリック上のソーティングバッファ問題に対して、これまで計算複雑さが知られていなかったが、頂点被覆問題からの帰着により、NP完全性を示した。さらに本問題に対するLIFOアルゴリズムの性能の下限について厳密な解析を行った。本成果はThe First AAAC Annual Meeting AAACO8(Asian Association for Algorithms and Computation)ならびに電子情報通信学会コンピューテーション研究会にて発表予定である。
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