研究概要 |
緩衝帯を持つ仕事計画問題の一種である、ソーティングバッファ問題の計算複雑さについて考察した。本問題においては、あるサイズの緩衝帯に順々に色要求が到達するので、緩衝帯内で順序を交換することにより単色交換数を最小化することが目的である。色交換に対するコストに制限をつけない場合の計算複雑さについては、NP完全であることを比較的簡単に示すことができる。そこで単色交換コストが一様、すなわちどの色からどの色に交換する場合でもかかるコストは同一である場合について考察した。これまでこの条件下におけるソーティングバッファ問題の計算複雑さは知られていなかったが、グラフの頂点被覆問題からの帰着によりNP完全性を示した。本成果はThe First AAAC Annual Meeting AAAC08(Asian Association for Algorithms and Computation)ならびに電子情報通信学会コンピューテーション研究会, The 2008 International Conference on Foundations of Computer Science(FCS)において、発表した。また、ペイントショップ問題と2CNF等価項除去問題に関する関連について着目し、2CNF等価項除去問題がNP困難となる、入力におけるリテラルの出現回数に関する条件を明らかにした。本成果は電気関係学会九州支部連合大会において発表した。
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