研究概要 |
本年度の計画の軸は3つあり,それらは「1.ランダムに生成された符号の性能解析」,「2.その解析結果を受け,適切なパラメータを絞り込むための理論検討と計算機シミュレーション」,そして「3.高い誤り訂正能力をもつ符号のパラメータを,インターネット等を通じて公開」である。 1.を達成するためには,ランダムな手法でCSS符号の条件であるねじれ関係を満たすLDPC符号の組が構成する方法が必要となった。そこで,単純な構成方法を発見し,いくつかのランダムな符号構成を実現した。また,シミュレーションにより性能評価を行った。この成果は国際会議HISCにて講演している。 2.の実現のために,HISCで発表した構成方法をもとに,数多くのシミュレーションを実行した。また,HISCでのシンプルな構成方法を理論的に掘り下げ,古典QC-LDPC符号の理論との融合に成功した。結果はISIT2007にて発表している。 3.に関しては,上記のISIT2007で発表した符号のなかで,非常によい誤り訂正能力を示したパラメータを選定した。そして,研究代表者のHPにて,それらパラメータを公開した。(http://staff.aist.go.jp/hagiwara.hagiwara/qecc/qecc.html)
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