研究課題
平成20年度には、スケルトン並列プログラミングの理論と実現に関して、主に下記のふたつの成果を得た。1.木構造データの効率的な並列処理のためのデータ構造とそれに関する並列計算手法木構造データは不規則・不均等になりうるため、データの形によらずそれを効率的に処理するのは難しい。この問題に対して、新しい(並列)データ構造「平衡三分木表現(Balanced Ternary-Tree Representation)」を提案した。このデータ構造は、それまでに研究されていたTree Contractionアルゴリズムに基づいて定式化されている。また、平衡三分木の上でどのように計算をエンコードすれば良いかの指標を与えた。これらの成果については、テクニカルレポート(2件)および国際会議ACM POPL'2009にて発表されている。2.並列スケルトンライブラリ「助っ人」のより効率的な実現それ以前から構築を目指していた並列スケルトンライブラリに関して、融合変換による効率化を自動的に行うことができるようにする機構を取り入れた新しい実装を行った。この実装は、C++言語のテンプレート機能のみを利用するもので、標準的なC++のコンパイラによって融合変換がなされる。並列スケルトンの呼び出しが連続するような場面においては、この融合変換により無駄な中間データがなくなり、さらにループ融合による効率化が期待される。この実装のアイデアについてプログラミングシンポジウムにて発表・議論を行った。
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Proceedings of the 36th Annual ACM SIGPLAN-SIGACT Symposium on Principles of Programming Languages (POPL2009) POPL2009
ページ: 177-185
Technical Report (METR), Department of Mathematical Engineering, The University of Tokyo METR 2008-27
ページ: 1-7
Technical Report (METR), Department of Mathematical Engineering, The University of Tokyo METR 2008-30
ページ: 1-18