研究概要 |
本研究の目標は, ユーザの要望に応じてWeb上の各種情報を効率的に融合するインタラクティブなWEBアプリケーション(以下Webアプリ)を, 容易に実現できるようにすることである. 上記目標を達成するべく, 以下の3つの特徴を持つWebアプリ開発フレームワークの研究を行っている。即ち, (1)高い抽象度をもつデータモデルと, その提示を行うGUI部の分離, (2)効率的なWeb上データの融合を実現する要求駆動計算, (3)高い操作性を提供するためのGUIコンポーネント群の提供である. 本年度は, さらなるアプリケーション拡大に向けて, 主に以下の研究課題に取り組んだ. 1. 幅広いアプリケーションに対応するためのGUIモデルの拡充 2. 効率的なデータ構築のためのデータモデル部の実装方式改良 本フレームワークは, ユーザのインタラクティブな操作に応じて融合データを効率的に提示することに特徴があり, 研究1. は, そのGUI部の拡充を行うものである. 本フレームワークは要求駆動による効率的データ構築を行っているため, 従来のように, 操作的モデルに基づいたGUIアプリ記述は非常に難しくなってしまう。このため, 柔軟なコンポーネント間連携も記述可能な宣言的GUIモデルを提案し, 対応するライブラリ群の実現を行った. 一方, 研究2. では, データモデル部の実装の効率化, GUI部の拡充への対応に加え, 頻繁な変更を伴うようなデータソースへ対応するための効率的な実装方式の研究も行なった. 現在, 互いに連携する数十のGUIコンポーネントを有したWebアプリ例が開発されており, その場合でも, ユーザ操作に応じた高い反応速度でのデータ提示が可能であった.
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