研究概要 |
平成18年度は,以下の項目について研究を行い,その成果を発表した. 1.ヘテロ仮想記憶におけるWebサーバの高速化 2.プロセスの途中状態の保存と再開 3.資源再利用機構におけるWebサーバの高速化 4.OS資源と処理の永続化方式の提案 1については,WebサーバにおけるCGIプログラム実行におけるプロセス生成の問題点を解決するため,資源の独立化機構を利用し,同一仮想記憶空間にプロセスを生成する機構を実現し,Webサーバの高速化を実現した.この機構により,TLBのヒットミスを削減でき,また,仮想記憶空間生成のオーバヘッドを削減できることを明らかにした. 2については,計算機の緊急停止などに対応するために,OS資源の状態を考慮したプロセス処理の状態保存と復元の基本機構を実現した.これにより,プロセスの実行で必要となる資源を明らかにした. 3については,Apache webサーバ実行時に,Tenderオペレーティングシステムにおいて再利用可能な資源を明らかにし,その再利用方法について検討した.また,OS資源を再利用してWebサーバ処理を高速化する方式を実装し,基本評価を行った.この結果,CGIプログラムの実行を伴うWebサーバ処理において,資源再利用を利用することにより,Linux,FreeBSD,及びBSD/OSよりも高速に処理を行える場合があることを明らかにした. 4については,OS資源の状態を永続化し,計算機全体の処理を永続化する方式を検討し,OS資源の状態を保存し,復元する基本機構を実現した.
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