| 研究概要 |
本研究の目的は,ネットワーク最適化問題に含まれるさまざまな問題に対して実用面において必要とされている解法の開発ある。具体的には、(1)高速に(つまり多項式時間で)解ける問題のクラスの発見と、その実用的解法の開発と検証、また、NP困難問題に対しては、(2)総当り的(指数時間)解法の分散、並列処理などによる効率化とその検証、(3)パフォーマンス比が定数上限を持つ近似解法、あるいは発見的解法の開発と検証を計算機実験に基づいて遂行する。
その結果、今年度の成果としては,以下の通り、ネットワーク最適化問題に関連する問題に対して、逐次処理による厳密解法の理論的考察、発見的解法の高精度化を基盤として研究を行い、研究論文10件を発表した。
1.耐故障ネットワーク構成問題に関連するリンク故障への対応の抽象化である辺連結度に関する辺付加問題についての研究(2件)
2.通信プロトコル等の設計検証に関連するインバリアント算出法についての研究(1件)
3.スケジューリング問題解法の部分問題なるペトリネットの発火系列問題についての研究(3件)
4.スタイナー木(指定点をすべて含み、かつ辺重み総和が最小の木)の効率的構成法に関する研究(1件)。
5.最大重みマッチング問題解法の高速化に関する研究(1件)
6.グラフの最短経路木を、入力グラフの辺重みが変化した後に高速に再構成するオンラインアルゴリズム設計に関する研究(2件)。
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