研究概要 |
本研究の目的は, ネットワーク最適化問題に含まれるさまざまな問題に対して実用面において必要とされている解法の開発である。具体的には、(1)高速に(つまり多項式時間で)解ける問題のクラスの発見と、その実用的解法の開発と検証、また、NP困難問題に対しては、(2)総当り的(指数時間)解法の分散、並列処理などによる効率化とその検証、(3)パフォーマンス比が定数上限を持つ近似解法、あるいは発見的解法の開発と検証を計算機実験に基づいて遂行する。 今年度は、ネットワーク最適化問題に関連する問題に対して、逐次処理による発見的解法の高精度化を基盤とし、分散処理による高速化を図った解法に関する研究を行った。その結果、今年度の成果としては, 以下の通り、実用的解法の開発に関する学術論文2件の発表と学会発表9件を行った。 【(1) に関する結果】各点の辺次数上限が設定されている場合に、所望の点連結度を持ち、かつ辺数が最小のグラフ構成法に関する多項式時間解法の研究(2件)。 【(2) に関する結果】携帯電話のチャンネル配置問題などに関連するグラフの点彩色問題における最適解を求めるために、分散処理により高速化を図った解法に関する研究(2件)。 【(3) に関する結果】ペトリネット(ベクター加算システムの具体的モデル)に関して、スケジューリング問題などに関連する発火系列問題についての研究(2件)、指定した2つのベクトルに対して一方から出発して他方に出来るだけ近いベクトルヘ遷移する手法に関する研究(1件)。最適初期資源配分問題の解法に関する研究(2件)。VLSI設計などに関連する最大重みマッチング問題解法の高速化に関する研究(1件)。配置問題などに関連するグラフの最小重み点被覆問題の解法設計と検証に関する研究(1件)。
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