研究概要 |
ソフトウェアコンポーネントにその動作アルゴリズムなどの内部処理や機能を記述できる自己説明型コンポーネントの開発とそのコンポーネント・フレームワークの開発について,本年度は,コンポーネントの作成と検索処理を試すためのソフトウェア環境を構築した。 前年度までに定義したコンポーネント構造にしたがい,コンポーネントを作成した。その過程を通して,コンポーネント構造とインタフェース言語の検証と改善作業を行った。対象どしたコンポーネントは,計算アルゴリズムに関する主に科学計算用のものとした。基本的なものについては想定した通りにコンポーネント化し,データベースに保存することができた。しかし,計算アルゴリズムの中には,基本的なものを特殊な用途向けに最適化したものが多く,その小さな違いを効果的に説明できる情報の付加が必要であるが,その統一的な手法については未解決である。現状では,各アルゴリズムの目的,用途,関連分野を示すアイコンのデザインを工夫することで区別を行っている。これに限らず,アイコンのデザインは時間の要する作業であった。 コンポーネントのブラウザーとエディターについては基本的なものは前年度に作成済みであったが,言語の設計を進めるのに必要な機能に特化した開発者用のものであった。今年度開発したものは,ユーザーの使用を念頭におきながら,設計と実装を行った。この開発は言語の修正と同時進行したため,言語の仕様が変わるたびに開発を繰り返す必要があった。そのため,検索手法の考案は行ったが,実際に実験することはできなかった。
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