研究課題
本研究では、フロー数の大きなネットワークを対象とし、輻輳制御に関する多元的な研究を行った。平成19年度は、(1) MPLSネットワークにおけるフィードバンク型帯域割り当て機構の性能評価、(2)ホース帯域割り当て機構に関する研究開発、(3)ネットワークゲームの輻輳制御に関する性能評価を行った。(1)においては、多数のTCPフローが存在する環境下で動的に顧客の要求を満たすような帯域割りあてを実現する構造とアルゴリズムを提案し、性能評価した。既存のアルゴリズムはフィードバック制御を往復伝搬させていたが、提案手法では、片道制御に変更することで、より正確でネットワーク利用率の高い帯域割り当てができることを明らかにした。(2)においては、VPN環境のスケーラビリティを向上するために必要と考えられているホース帯域割り当て手法にいての研究開発を行った。具体的には、(1)の研究を拡張し、イングレスルー夕にCBQパケットスケジューラを組み込むことでホース帯域割り当て機構を提案し、提案機構がホースモデルにおける適切な帯域割り当てが可能なことを明らかにした。また、実際にわりあてるためには内部パラメータである重みを決定するプロビジョニングアルゴリズムが必要となるため、これを開発した。プロビジョニングアルゴリズムは非線形計画の数理計画問題として定式化し、ヒューリスティックアルゴリズムを構築した。性能評価により、提案アルゴリズムにより適切なパラメータ設定が可能であることを明らかにした。(3)は、今後登場する新しいアプリケーションとしてネットワークゲームを対象とした。世界で初めてDCCPを用いてネットワークゲームを実現し、さまざまな角度からそのフィージビリティを検証した。
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Proceedings of the IEEE Australasian Telecommunication Networks and Applications Conference (ATNAC2007)
IEICE Transactions on Communications E90
ページ: 3430-3540