研究概要 |
本研究では,共生コンピューティングを実現するためのソフトウェア基盤として,相互のエージェントが互いの認識モデルを持って,自律的に行動するマルチエージェントシステムとしてのフレームワークを構築することを目的としている.この目的のためにフレームワーク構築と有効性を評価するために,評価システムを実装した.2006年度において,共生コンピューティングの実環境における実験として,子供の見守り支援システム,お年寄りの見守り支援システムを作成評価した. これらの実装は,本研究課題で目的としている,マルチエージェントシステムを用いて行われた.このマルチエージェントシステムを構成する,自律的なソフトウェアモジュールであるエージェントは,フレームワークにより,一意性,永続性を確保されており,共生コンピューティング実現において有効な手法であることが示された.この評価システム構築に当たり,共生コンピューティングの要素技術として,地域情報基盤,社会知表現,GPSデータ記録からの逸脱行動検知機能,逸脱行動理由推定機能が,マルチエージェントシステムによって実現された. この結果,共生コンピューティングを実現するためのマルチエージェントシステム設計の有効性が確認できた.これらの研究成果については,関連する国際学会,国内の学協会が主催する研究会上で公表され,関連研究者との議論が行われた.
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