研究課題
本研究では、Webコンテンツ同士のつながりであるハイパーリンクを、実質的な情報連携が可能な姿にするための仕組みを明らかにし、その基本的なあるゴリズム、試作システムを構築することである。本年度は、具体的なアプリケーションとして姿を見せるための研究を進めた。本研究の目指すところは、Webの分散システムとしての連結を有機的に強化し、その上で、分散協調動作を行う情報アプリケーションの構築にある。そのため、具体的な利用シーンを提示することと、サーバ側動作のわかりやすい確認ツールとしての両面から、試作アプリケーションを作成した。システムで扱うメタデータとして、RSSフィード形成を用いることとした。RSSフィードは、blogなどでの利用が広がっているのとともに、文書概要を扱いやすいテキスト形式として供給することを目的としており、協調動作を行う広域通信システムとしての本研究の対象外となる、メタデータの抽出や解釈などを避けられる利点もあるためである。本試作システムでは、サーバ側による近傍コンテンツのメタデーター括配信モデルによる時間短縮、逆リンク探索のメリットを享受しつつ、Webコンテンツの持つリンク構造とRSSフィードの持つ、サイトの概念によるコンテンツの括りを視覚的にわかりやすく提供することを目指した。また、リンク関係において本質的に発生しうるコンテンツ間の参照関係における意味の不整合が起こつている可能性が高いことを、リンク元、リンク先双方の更新時刻より警告する要素も採り入れた。本年度の研究によって作成した試作システムは、リンクやサイトで結合されたWeb空間において利用者が考える有用なWeb文脈を辿るための支援ツールとして、RSSブラウザと名付けた。システムはWebアプリケーションとして構築され、ECMAScriptの動作するモダンブラウザ上での動作が期待される。多数のWeb文脈を構成しうるコンテンツを概覧できる本ブラウザの有用性の検討は今後の課題である。
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情報処理学会論文誌:データベース 48,SIG20
ページ: 14-20
Proceedings of WWW/Internet 2007 2
ページ: 198-202