研究概要 |
近年のデータ蓄積装置の低廉化に伴い、大量の放送映像を蓄積できるようになった。研究代表者はこれまで国立情報学研究所と共同で大規模放送映像アーカイブの構築に取り組んできた。このアーカイブには2,500日(約1,200時間)を超えるニュース映像が日々蓄積されている。本研究では、このように大量の映像に対して、利用者が情報を単純に検索・閲覧するのみでなく、検索結果を再編集したいわばドキュメンタリ映像を自動生成し、効率的に内容を理解する環境を提供することを目指している。 本年度は、このために必要となるニューストピック間の意味的関連と時系列的な前後関係を考慮した「スレッド構造」という順序グラフ構造を解析する手法の一層の高速化について検討し、さらにスレッド構造中の特定のスレッド経路上のトピックの要約映像を編集するために、スレッド構造可視化インタフェース(mediaWalker)上に映像自動再生・編集機能を実装した。これにより、ユーザが指定した任意のニュースストーリを起点とするニューストピックの流れを説明するような映像を人手で編集する簡単な環境が整った。 一方で、異なるニュース資源との連携を想定し、上記アーカイブ中のニュース映像と他国のニュース映像やウェブ上のニュース記事とを関連づける方法について検討した。さらに、要約映像を自動生成するための準備として、重要映像を検出するために、映像アーカイブ中に繰り返し出現する特徴的な映像の出現パターンについて分析した。
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