研究課題
本年度の目的は、選択型コンテンツの放送型配信において、プリフェッチや早送りといった視聴者の操作を考慮するために放送と同時に通信も利用して選択型コンテンツを配信することである。現在のテレビ放送では、放送されている番組を放送されるがままに視聴するのみであるが、見たい映像を選択することで、視聴者の嗜好に合った映像を視聴できる。例えば、2択クイズ番組で、選択肢を提示した後に視聴者が回答を選択する。視聴者の回答が正解であれば、正解の映像を表示し、不正解であれば、不正解の映像を表示する。本研究では、これらの例のように視聴者が見たい映像を選択して視聴する番組を選択型コンテンツと呼ぶ。選択型コンテンツでは、ある場面の再生中に途切れが発生すると、番組の連続性が失われる。十分にデータを受信できるまで待つことで途切れのない再生が可能になるが、長い待ち時間は視聴者にストレスを与える。本年度は、プリフェッチや早送りを可能とするために放送と同時に通信も利用することで、再生が途切れている時間を短縮し、短い途切れ時間で、選択型コンテンツを視聴できる手法を考案した。通信側の手法として、P2Pストリーミングやグリッドキャストと呼ばれる端末伝送型の選択型コンテンツ配信手法を提案し、評価を行ってその有効性を確認した。さらに、実際に選択型コンテンツのインターネット放送システムを作成し、実運用時には、再生開始時に端末の負荷が大きくなることや、再生処理に遅延が発生するといった問題点を明らかにした。
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http://www-nishio.ist.osaka-u.ac.jp/~yoshihisa/index-jp.html