研究概要 |
本研究では,オフィスや研究室などに存在する計算機(PCやワークステーション)の遊休時間を利用した頻出系列パターン抽出処理の並列化手法の開発をおこなう,具体的には,遊休計算機を効率的に利用するために,遊休計算機間の効率的な連携手法,自律分散的負荷分散手法,耐障害性を持った並列化手法の開発を目指す.遊休計算機を利用した並列化により,オフィスや研究室が所有する計算機の遊休時間を利用して,頻出系列パターン抽出処理の高速化が可能となると期待さる. 本年度は,はじめに,基本アルゴリズムを設計し,次に,遊休計算機間の効率的な連携手法,自律分散的動的負荷分散手法の開発をおこなった. (1)基本アルゴリズムの設計:並列化のための基本アルゴリズムを設計した.データ分割,タスク分割など,並列化には既存の研究で提案されている並列化モデルを使用した. (2)遊休計算機間の効率的な連携手法の検討:新たに並列処理に加わった遊休計算機へのタスクの割り当て方法,並列処理から抜け出す遊休計算機からのタスクの退避方法として,仮想マシンを利用した手法を開発した. (3)自律分散的動的負荷分散手法の検討:タスクの処理時間が極端に不均一である場合や,計算機の負荷状況が動的に変化する場合に対して頑強である動的負荷分散手法としてマスタ・タスク・スティル法がある.マスタ・タスク・スティル法の基本構造を利用し,自律分散的な負荷分散手法を開発した. (4)プロトタイプの実装と性能評価:設計・検討をおこなった手法をもとにプロトタイプを実装し,評価実験をおこなった.
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