研究概要 |
本研究の目的は,ミーティングを記録しためディアデータを対象として,抽象度の高いメタテータ抽出,および,付与されたメタデータを対象とした利用者の戦略に応じた高度な検索を,ソフトウエアトシテ実現し,コミュニティや社会の知的生産性を増大させる技術を実現することにある. 本研究の平成18年度における主要な成果は,次の2点にこまとめられる.第1に,物理的および電子的なオブジェクトの時間・空間・向きに関する振舞いを記述可能とした数学体系である時空間方向代数(Time-Space-Direction Algebra)を提案し.その実現を行った.第2に,この時空間方向代数を応用し,複数の異種情報システムのログを対象とした分析を行った.これにより,組織内活動の知識の保存および再活用が可能となると考えられる.すなわち,本研究の目的であるコミュニティや社会の知的生産性を増大させる技術の基礎を実現した. 具体的には,第1の成果について,物理的および電子的オブジェクトを対象としたデータ構造と演算芋群を設定ずることにより基本体系を構成した.さらに,ユビキタス環境のオブジェクト下の振舞いと,それに対応する高次のメタデータ記述の対をあらかじめ与えておくことにより,物理的・電子的なオブジェクトの低次のデータ集合を組織内活動の知識の保存および再活用を目的とした高次のメタデータとして抽出することに応用している.この内容を,国際会議において発表した.第2の成果について,この時空間方向代数の異種システム間ログ分析への応用について実現を行った.ユビキタス環境におけるオブジェクト(人など)の物理的移動と,異種φ情報システムが含まれた環境において,時空間方向代数を用いてそれらの両方を統一的に記述可能であることを示した.この内容を,国内学会において発表した.
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