研究概要 |
まず,本研究で分析対象とする舞踊作品の選定と三次元モーションデータの収集を行った.対象は,バレエの古典作品の中で著名なソロ・ダンスとし,本年度はマリウス・プティパ振付の4作品について,データ収録を行った,モーションデータは立命館大学のモーションキャプチャシステムを借用して1名のプロ・ダンサーの実演により取得した.取得した作品のモーションデータに合わせて,MIDIによる音楽データも制作した.さらに,Web3D技術を用いて,バレエの古典作品の三次元アニメーションをウェブ上で閲覧できるシステムを試作した.三次元モーションデータを利用したコンテンツをウェブ上で閲覧・操作するためのシステムの基盤が構築できた. 次に,バレエの古典作品の中で使われている基本動作の種類,出現頻度,難易度などを集計するにあたり,これまでに作成した「バレエ基本ステップ分類表」に収録されている543個の基本動作の見直しを行った.さらに,バレエに限らず様々な舞踊を対象とした舞踊作品を分析するために,身体性を考慮した基本動作の分類方法および連結手法を考案した. また,バレエ理論と三次元座標情報を用いてバレエの基本動作の開始/終了姿勢として出現する基本姿勢の分析を行った.分析結果に基づき,基本姿勢を実演している三次元座標データを与えると9つの基本姿勢のいずれかに識別するプログラムを作成した.これにより,バレエ作品のデータを基本動作の単位に分節化する作業を,ある程度自動的に行えるようになった.
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