研究概要 |
目的である植物統合データベースの構築に先立ち、シロイヌナズナ、イネ、ポプラ、ミヤコグサ、ダイズ、キャッサバを統合対象植物種の候補として、統合対象データの調査を行った。ESTデータが充実していることに加え、高精度なゲノム塩基配列が利用可能であることから、シロイヌナズナ(約1,250,000ESTデータ)とイネ(約1,200,000ESTデータ)は植物統合データベースの中核とすることに確定した。前の2種には及ばないもののポプラ(各品種合計で約400,000ESTデータ)はゲノム塩基配列が公開された(2006年9月)ことを考慮し、樹木の代表種として統合対象とすることにした。同様の理由に加え、産業価値等の注目度を考慮し、ミヤコグサ(約150,000ESTデータ)とダイズ(約370,000ESTデータ)を、ポプラに比較的近縁な樹木であるキャッサバ(約36,000ESTデータ)を統合対象種とした。 統合に際しては、各植物について体系的なデータベースが存在することが必要になる。対象植物種の選定に続き、各植物種についてのデータ整理を行った。現時点では、シロイヌナズナ、イネと比較すると、それ以外の植物は後発の解析対象種といえる。そこで、各々のESTを中心とした解析を進めた。ポプラ、ダイズ、キャッサバについては、新規ESTデータも含めた体系的解析が完了、若しくはほぼ終了しており、各々の解析結果についての論文は投稿中または準備中である。シロイヌナズナ、イネ、ポプラについてのデータベースは構築済みであり、その他の植物種についてのデータ整理、データベース構築も進行中である。植物種間検索のためのデータ生産についても並行して進めている。 以上のように、統合対象種の調査、データ収集および生産、データベース構築を行い、実施計画に則した活動を実施した。
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