研究概要 |
ユーザの状況やスクリーン付近の実オブジェクトを光学的に認識し,表示情報に反映可能なインタラクティブディスプレイを構築し,その可能性について検証する.透過調光フィルムとは,通常はすりガラスのように不透明の状態であるが,電圧を印加すると内部の液晶分子の配列が変わり,透過度を高めることができるフィルムシートである.この透過調光フィルムをリアプロジェクション型表示装置のスクリーンとして用いると,通常時は背面からプロジェクタで映像を投影する透過型スクリーンとして利用し,前面の状況を取得する時のみ電圧を印加し透過度を高めることで,スクリーン前面の様子を背面のカメラから詳細に取得するという,相反する2種類の機能を兼ね備えた表示装置を実現することができる. 平成18年度は,対角60インチ(1219mmx914mm)の透過調光ガラスをテーブルトップスクリーンとして使用した実験システムを2台構築した.また透過調光ガラスの電圧の印加を計算機から制御する装置と,テーブル内面からテーブル上の状況や2次元タグを撮影し,解析する装置を構築した.これらの装置構築によって,遠隔実験を行ううえでの基盤システムが完成した.
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