研究課題
本研究では、仮想空間で手が届かないか見えない位置にある物体の移動や、そのような地点へのユーザ自身の移動を効率的に行うために、本来の描画領域(ビューポート)とは別に、仮想空間内に枠を作成してその枠内を新たなビューポートとして利用する新しいインタフェースについて研究している。研究項目には、1)マルチビューポートインタフェース(MVI)に関与する複数の座標系相互の従属関係の組み合わせにより分類されるMVIの性質や有用性の網羅的検討、2)状況に応じてユーザが従属関係を対話的に変更可能な操作手法の提供、3)被験者実験を通じた提案手法の有効性検証、などがある。今年度は、下記の2点を実施した。1)プロトタイプシステムの構築MVIの検討を行うための基盤となる試作システムを構築した。高性能グラフィックハードウェア、既存設備のヘッドマウントディスプレイ・既存設備の光学式3次元位置センサなどを用いている。仮想物体の把持・移動、プブイマリシーンの移動といった基本的操作に加えて、窓枠の生成・移動・消去、セカンダリシーンの移動、窓枠を通過しての仮想物体のシームレスな瞬間移動、窓枠をユーザが通過してのユーザ自身のシームレスな瞬間移動、のそれぞれの機能を実装した。2)マルチビューポートインタフェースの構成に関する検討MVIに関する複数の座標系に注目し、その階層構造のパタンによって定義されるMVIの性質や有用性を検討した。検討結果を用いて、状況に応じて多様な構成が可能な汎用のインタフェースフレームワークを構築した。また、試作システムを用いて、まず、2つの座標系の親子関係について考えられる全てのパタンを検証し、各々の組み合わせの有用性を調査した。次に、5種類の座標系全体が構成する階層構造パタンについて網羅的に検証した。また、主要な階層構造について試作システムを用いて比較実験を行い、ユーザの行動への影響を調査した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
日本バーチャルリアリティ学会サイバースベースと仮想都市研究会 CSVC2007-05
ページ: 25-30
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 Vol. 11, No. 3
ページ: 363-370
日本バーチャルリアリティ学会第11回大会論文集 Vol. 11
ページ: 1A1-5