研究概要 |
制約的なコミュニケーション環境などで身体全体が動かせない場合の代用として,あるいは意識的にある種の繊細な,躍動的な身体動作で表現したい場合に,手指部の動作入力による円滑なインタラクションを支援するシステムを開発することを目的とし,直接的・感覚的な操作によるアバタを介してコミュニケーションを行うための手指動作入力による身体的バーチャルコミュニケーションシステムのコンセプトを提案した.また手袋型センサを用いたプロトタイプを開発し,システムの有効性を確認している. より一般的なデバイスを用いてアバタ操作を実現するために,球状の操作対象によりアバタの頭部としてのメタファを活用できるトラックボールに着目し,トラックボール入力型のPuppetAvatarを開発してマウスあるいは3次元マウスを用いたシステムと比較検討を行った.予備検討を含めたコミュニケーション実験の結果,頭部運動をうなずき方向に限定したテストにおいて,対話者の動作を線形対応的に表現する手法の有効性が示唆された.さらに頭部を再現した実験において,一対比較または5項目のアンケート評価結果からトラックボールを用いたPuppetAvatarが高く評価され,コミュニケーション効果を確認した.全てのデバイスにおいて,対話者の操作後に初期状態に戻る機能を付加した場合が高く評価されたことから,線形的な操作でキャラクタ動作に対応することに加え,自動回帰機能を付加して相手との対話において効果的な操作を実現することでより高い効果が得られることを示した.
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