研究概要 |
1.情報教育の目標リストとオントロジー間の関係記述 オントロジーを基盤としたメタデータ記述は,申請者を中心としたオントロジーとセマンティックWeb技術について理解している関係者でしか記述することができない.そのスケーラビリティの問題を解決するために,本研究ではすでに現場に普及している情報教育の目標リストとオントロジーの連携を実現させた.情報教育の目標リストを基盤として記述されたメタデータをオントロジーを基盤としたメタデータに変換するために,これらの関係を明示的に記述した. 2.情報教育の目標リストに基づいたメタデータ記述 現在も情報教育の目標リストに基づいた支援情報に対するメタデータ記述は現場の教員の手で行われているが,このメタデータはセマンティックWeb技術に基づいた記述ではなかっ.教員がこれまでと同様の方法でセマンティックVeb技術に基づいたメタデータを記述するために,表計算ソフトにプログラムを組み込んで,表形式に書かれた情報を自動的にセマンティックVeb技術に基づいたメタデータの形式で出力する仕組みを実現した. 3.授業の状況を記述するための概念の体系的記述 授業の中で現れる様々な状況を明確に表現するために,関連する概念を抽出し授業におけるそれらの概念間の関係をオントロジー理論に基づいて記述した.実践力のような暗黙的なメタ能力を育成する場合,授業においてどのような状況を設定するかが重要であり,教師間での実践力教育のための経験的知識の共有や教師教育のためには,この授業における状況を明確に表現するための枠組みが必要である.そのための概念体系を構築することが目的である. 4.教育目標概念間の関係を明示的に記述鰹 昨年度提案した実践力育成に適した授業設計プロセスでは,教師は授業の詳細化に伴って関連してくるそれまで想定していなかった別の能力育成を教育目標として組み込んでいくことが重要となる.この点を支援するために,授業を構成する様々な状況に依存した教育目標概念間の関係を明確に記述していくことが必要となる.これらを記述する枠組みとして3.で記述した概念構造を活用した.
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