研究概要 |
本研究では, 小学校低学年段階からの基礎的な内容も含んだ広い意味での情報教育を中心とした実践力に焦点を当て, 教師による授業設計を動的に支援するシステムの開発を行う. このシステムの目的は, 実践力の育成に関してまだ十分な経験のない教師を対象にし, より適切な授業設計プロセスを意識させ, より良い授業を設計できるように支援することである. 具体的な研究相的は, (1)実践力にあたる教育目標の明確化, (2)(1)で明確化された教育目標概念に基づいた教育支援リソースのメタデータ記述, (3)実践力育成のための授業設計プロセスのモデル化, (4)授業状況記述のための概念の抽出と体系化, (5)実践力育成のための授業設計を動的に支援するシステムの開発である. 1. 教師による実践力育成達成状態記述の枠組みの構築 授業設計時に教師をより効果的に支援するためには, それまでの生徒たちの学習状況をシステムが認識しておくことが望ましい. そのための枠組みとして, 教師が担当の生徒たちの実践力に関するこれまでの学習状況を記述できる枠組みを構築した. この枠組みの基盤となるのは, 1.で構築した実践力を体系的に記述したオントロジーとなる. この機能は本研究で構築する授業設計支援システムの一部となるため, 昨年度に購入したパーソナルコンピュータ上でJava言語を用いて開発した. 2. 実践力育成のための授業設計支援システムの開発 これまでの成果をすべて活かし, 教師による実践力育成を目的とした授業設計を動的に支援するシステムを開発した, このシステムは, 昨年度に購入したパーソナルコンピュータ上でJava言語を用いて開発した. 3. 開発した授業設計支援システムの評価 開発した授業設計支援システムを県教育委員会にも協力してもらい, 現場の教員に実際に利用してもらった. 授業設計時におけるシステムの操作性, 実践力育成のための授業設計という観点での支援機能の効果, 作成された指導案の内容, について質的・量的に評価し, その有効性を検証した.
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