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本年度は、コンプライアンスのプロセスを形式化するために必要な調査を行い、コンプライアンスのために提供される内部規程が様々に解釈される様子を計算機上で実現するための枠組みについて研究を行った。まず始めに、インターネット社会の発展に伴う問題として脚光を浴びつつある個人情報保護に関し、個人情報保護法等に基づいた適切な情報処理を遂行するための情報処理技術について、海外の研究を含め関連研究の現状に関しサーベイを行った。また近年日本においても重要性が増してきているコンプライアンスについても、ITを利用したコンプライアンスの関連研究について調査し、現状の個人情報保護支援技術に基づく個人情報保護のためのコンプライアンス支援の問題点と将来の方向性について論文を発表した。本調査では、コンプライアンスやプライバシーポリシー等の現状や、企業のプライバシーポリシーとユーザとの関係分析や実際の個人情報漏洩事件についても海外の調査を基にサーベイを行った。次に個人情報データベースのアクセス制限の手法についての研究を調査し、個人情報保護を目的としたデータベースの利用およびアクセス制御について分析を行った。また個人情報データベースを用いたデータマイニングの際の問題点を指摘し、個人情報保護を考慮したデータマイニング手法について調査を行った。最後に今後のITを用いた個人情報保護支援の可能性について論じ、エージェントを用いた個人情報保護に関するコンプライアンスシミュレーション環境の枠組みについて論じた。
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