研究概要 |
平成18年度は下記の2項目について検討した. 1.位相限定相関法を用いた指紋照合 これまでに開発してきた位相限定相関法を用いた照合と一般的に利用されている特徴点を用いた照合を融合した新しい指紋照合アルゴリズムの開発を検討した.これまでに得られた膨大な計算機実験の結果を踏まえ,位相限定相関法を用いた照合アルゴリズムと特徴点を用いた照合アルゴリズムとが異なった指標(評価基準)で照合していることを利用した.この特長を利用することで,2つの照合手法を組み合わせて互いの特長を相補的に利用したアルゴリズムを開発することができると考えた.この考えに基づいて,指先のかすれや肌荒れだけではなく,指紋画像の撮影時に生じた歪みにもロバストな照合アルゴリズムの開発を検討した. 2.位相限定相関法を用いた虹彩照合 撮影環境にロバストな虹彩照合アルゴリズムの開発を検討した.虹彩を撮影する際に目をしっかりと開けていないと,まぶたが虹彩に大きく入り込んでしまうことがある.虹彩照合では,このような低画質な画像によって性能が大きく下がってしまう問題があった.この問題を解決するために,まぶたが入り込んでいない小さなブロックに対して位相限定相関法を用いて照合することを検討した.性能評価のために使われている標準的な虹彩画像データベースを用いて照合アルゴリズムの性能を評価し,まぶたなどが入り込んだ虹彩画像でも正確に照合できることを確認した.
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