研究概要 |
本研究テーマでは, 円弧マーカを利用したカメラ校正の必要ない仮想3次元環境の構築を目指して, 1, ビデオカメラから撮影したビデオ映像から物体の全周3次元形状を復元するための, 特徴点の追跡技術の開発, 2, 画像からの安定した楕円検出技術の開発, 3, 円弧マーカを利用したカメラ校正技術と仮想物体合成技術の開発を行った. 特徴点追跡技術の開発では, ビデオ画像から追跡した特徴点データからアフィン空間拘束条件を用いた統計的検定によって, 追跡を誤ったフレームを検出する技術を開発した.画像からの安定した楕円検出技術の開発では, 画像から抽出したエッジ点に対して, RANSACを用いた楕円検出手法と同一楕円点の判定によるエッジ点の統合と楕円の再当てはめの2段階処理により, 一部が隠れた円形物体でも画像から安定して検出可能な技術を開発した.円弧マーカを用いた仮想物体合成技術の開発では, 半径と中心の異なる二つの円を重ねた円弧マーカを設計し, 本テーマで開発した楕円検出技術によってマーカを検出したのち, マーカから得られる二つの円情報から, そのマーカを撮影したカメラの位置と姿勢を推定する技術を開発し, それを利用してマーカ上に仮想物体を合成する技術を開発した. そして, これらの技術をもとに10フレーム/秒で動作する円弧マーカを用いた仮想物体合成システムを開発した.
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